各市場(chǎng)で中國(guó)製EVに存在感（アジア太平洋地域）
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2023-07-20 18:36
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アジア太平洋（APAC）地域では、タイやインドネシアをはじめ、各國(guó)でバッテリー駆動(dòng)電気自動(dòng)車（BEV）市場(chǎng)が拡大している。同時(shí)に、國(guó)內(nèi)生産を奨勵(lì)し、BEVを輸出産業(yè)に育てようとする動(dòng)きがみられる。黎明（れいめい）期の國(guó)內(nèi)市場(chǎng)を形成して産業(yè)を育成するため、また脫炭素化の観點(diǎn)からも、輸入BEVの導(dǎo)入について優(yōu)遇措置を付與する國(guó)が少なくない。
そうしたこともあり、2022年第3四半期（7～9月）以降、中國(guó)からAPAC地域へのBEVの輸出が急増している。ジェトロが各國(guó)で調(diào)べたところ、中國(guó)製BEVが代表的モデルとして受け入れられるようになっている。
中國(guó)ブランドのBEVが各國(guó)でシェアを獲得
當(dāng)?shù)赜颏扦?022年、各國(guó)で電気自動(dòng)車（EV）の販売が拡大した。例えば、當(dāng)域內(nèi)でEV市場(chǎng)として最大のインドでは、四輪EVの國(guó)內(nèi)登録臺(tái)數(shù)が前年比2.5倍の4萬(wàn)581臺(tái)に上った（2023年2月7日付ビジネス短信參照）。メーカー別にみると、地場(chǎng)財(cái)閥系タタ?モーターズが3萬(wàn)2,090臺(tái)と約8割を占めた。一方で、中國(guó)の上海汽車（SAIC）傘下MGモーターが3,414臺(tái)（シェア8.4％）、BYDも450臺(tái)（同1.1％）だった。中國(guó)メーカーが、タタに次ぐシェアを獲得したかたちだ。
オーストラリアでも同年、販売臺(tái)數(shù)が伸びた。四輪のBEVとプラグインハイブリッドEV（PHEV）合計(jì)で、86％増の3萬(wàn)9,353臺(tái)だった（注1）。モデル別にみると、テスラの「モデル3」が1萬(wàn)877臺(tái)、「モデルY」が8,717臺(tái)と、テスラの2モデルが市場(chǎng)の半分を占める。これに続くのが、BYDの「ATTO 3」で2,113臺(tái)が売れた。次に、MGのPHEV「MG HS」1,554臺(tái)だった。
東南アジアに目を転じると、インドネシアの四輪BEVの新規(guī)登録臺(tái)數(shù)は、2022年に前年比15倍の1萬(wàn)327臺(tái)を記録した。モデル別で圧倒的なシェアを誇るのは、やはり中國(guó)企業(yè)の製品だ。五菱汽車（ウーリン）のBEV「エアEV」が8,053臺(tái)。実に、全體の78％を占めた。これに続くのが、韓國(guó)の現(xiàn)代自動(dòng)車のBEV「IONIQ（アイオニック） 5」で、1,829臺(tái)だった（注2）。
タイでもEVの躍進(jìn)が確認(rèn)できる。同國(guó)の陸運(yùn)局によると、2022年、四輪BEVの新規(guī)登録は9,729臺(tái)。前年比で約5倍だった（注3）。モデル別には、長(zhǎng)城汽車（GWM）の「ORA グッド?キャット」が3,828臺(tái)で全體の39％を占めた。貓をモチーフにした特徴的なデザインで、バンコク市內(nèi)でも頻繁に見(jiàn)かけるようになっている。続いて、MGの「MG EP（ワゴン）」が2,329臺(tái)（シェア24％）、「MG ZS」が805臺(tái)（同8％）という順だ。
（ジェトロ撮影）
（ジェトロ撮影）
中國(guó)メーカーのBEVが各地代表モデルに
APAC地域に所在するジェトロ事務(wù)所は2023年3月、擔(dān)當(dāng)する各國(guó)ごとにEV市場(chǎng)を調(diào)べた（表1參照）。その結(jié)果、地場(chǎng)の活躍ぶりがうかがえる結(jié)果も散見(jiàn)された。例えば、ベトナムでは、地場(chǎng)系ビンファストが最もシェアを獲得している。またインドでは、タタ?モーターズが大きな市場(chǎng)シェアを占有している（前述）。
しかし、地域全體を俯瞰（ふかん）してみると、どの市場(chǎng)でも目立ったのが、中國(guó)メーカーのEVだ。
| 國(guó)名 | 販売?新規(guī)登録臺(tái)數(shù) | 販売されている主なBEVブランド | 販売臺(tái)數(shù)の多い代表的モデル（BEV) |
|---|---|---|---|
| タイ | EV新規(guī)登録臺(tái)數(shù)（2022年） 四輪BEV：9,729臺(tái) 四輪HEV：6萬(wàn)3,568臺(tái) 四輪PHEV：1萬(wàn)1,311臺(tái) 國(guó)內(nèi)新車販売（2022年） 四輪：84萬(wàn)9,000臺(tái) |
日系：トヨタ、レクサス、日産、FOMM、タカノ 中國(guó)：MG、GWM、BYD、NETA、BOLT 韓國(guó)：現(xiàn)代、起亜 歐州：メルセデス?ベンツ、BMW、ミニ、ジャガー、ポルシェ、アウディ、ボルボ 米國(guó)：テスラ |
GWM「ORAグッド?キャット」 価格：98萬(wàn)9,000バーツ（約386萬(wàn)円） バッテリー容量：47.8キロワット時(shí) 走行可能距離：337キロメートル MG「EPワゴンEV」 価格：98萬(wàn)8,000バーツ（約385萬(wàn)円） バッテリー容量：50.3キロワット時(shí) 走行可能距離：380キロメートル |
| インドネシア | EV新規(guī)登録臺(tái)數(shù)（2022年） 四輪BEV：1萬(wàn)327臺(tái) 四輪HEV：5,100臺(tái) 四輪PHEV：10臺(tái) 國(guó)內(nèi)新車販売（2022年） 四輪：104萬(wàn)8,000臺(tái) |
日系：トヨタ、レクサス、日産、三菱 中國(guó)：ウーリン、DFSK 韓國(guó)：現(xiàn)代 歐州：BMW、ミニ |
ウーリン「エアEV?スタンダード」 価格：2億4,300萬(wàn)ルピア（約216萬(wàn)円） バッテリー容量：17.3キロワット時(shí) 走行可能距離：200キロメートル 現(xiàn)代「アイオニック5」 価格：7億4,800萬(wàn)ルピア（約665萬(wàn)円） バッテリー容量：72.6キロワット時(shí) 走行可能距離：451キロメートル |
| ベトナム | EV新規(guī)登録臺(tái)數(shù)（2022年） 四輪BEV：7,080臺(tái)（ビンファストの販売臺(tái)數(shù)） 國(guó)內(nèi)新車販売（2022年） 四輪：50萬(wàn)9,141臺(tái) |
ベトナム：ビンファスト（VF） 韓國(guó)：現(xiàn)代、起亜 歐州：ポルシェ、アウディ |
ビンファスト「VF8」 価格：11億3,000萬(wàn)ドン（約630萬(wàn)円） バッテリー容量：82キロワット時(shí) 走行可能距離：420キロメートル ビンファスト「VFe34」 価格：7億1,000萬(wàn)ドン（約390萬(wàn)円） バッテリー容量：42キロワット時(shí) 走行可能距離：300キロメートル |
| シンガポール | EV新規(guī)登録臺(tái)數(shù)（2022年） 四輪BEV：3,589臺(tái) 四輪HEV：1萬(wàn)1,062臺(tái) 四輪PHEV：409臺(tái) 國(guó)內(nèi)新車販売（2022年） 四輪：4萬(wàn)2,550臺(tái) |
日系：トヨタ、日産、マツダ 中國(guó)：MG、BYD 韓國(guó)：現(xiàn)代 歐州：メルセデス?ベンツ、ポルシェ、ボルボ、BMW 米國(guó)：テスラ |
テスラ「モデル3」 価格：11萬(wàn)シンガポールドル（約1,130萬(wàn)円）、新車購(gòu)入権（COE）含まず バッテリー容量：60キロワット時(shí) 走行可能距離：491キロメートル BYD「e6」 価格：15萬(wàn)シンガポールドル（約1,556萬(wàn)円） バッテリー容量：71.7キロワット時(shí) 走行可能距離：522キロメートル |
| マレーシア | EV新規(guī)登録臺(tái)數(shù)（2022年） 2,631臺(tái)（內(nèi)訳は不明） 國(guó)內(nèi)新車販売（2022年） 四輪：72萬(wàn)658臺(tái) |
日系：レクサス、日産 中國(guó)：MG、GWM、BYD 韓國(guó)：現(xiàn)代、起亜 歐州：ポルシェ、BMW、ベンツ、フォルクスワーゲン、アウディ、ボルボ 米國(guó)：テスラ |
GWM「ORAグッド?キャット」 価格：14萬(wàn)リンギ（約426萬(wàn)円） バッテリー容量：47.8キロワット時(shí) 走行可能距離：337キロメートル BYD「EPワゴンEV」 価格：15萬(wàn)リンギ（約456萬(wàn)円） バッテリー容量：49.9キロワット時(shí)／60.5キロワット時(shí) |
| ラオス | EV新規(guī)登録臺(tái)數(shù)（2022年） 四輪：約1,400臺(tái) 國(guó)內(nèi)新車販売（2022年） 四輪：約1萬(wàn)臺(tái) |
中國(guó)：BYD、Geely、NETA 韓國(guó)：現(xiàn)代 歐州：フォルクスワーゲン、ジャガー |
フォルクスワーゲン「ID4」 価格：3萬(wàn)8,000ドル（約524萬(wàn)円） バッテリー容量：52キロワット時(shí) BYD「ユエン?プラス」 価格：2萬(wàn)7,000ドル（約372萬(wàn)円） バッテリー容量：50.1キロワット時(shí) 走行可能距離：430キロメートル |
| フィリピン | EV新規(guī)登録臺(tái)數(shù)（2022年） 四輪：276臺(tái) 國(guó)內(nèi)新車販売（2022年） 四輪：35萬(wàn)2,596臺(tái) |
日系：日産 中國(guó)：BYD、WMモーター 韓國(guó)：現(xiàn)代 歐州：ポルシェ、BMW、アウディ、ジャガー |
|
| カンボジア | EV車両登録臺(tái)數(shù)（2023年2月時(shí)點(diǎn)） 四輪：700臺(tái)超 |
中國(guó)：MG、BYD、LETIN、LEVDEO、HONGQI 歐州：BMW、ジャガー、ポルシェ 米國(guó)：テスラ |
テスラ「モデルY」 価格：10萬(wàn)8,000ドル バッテリー容量：60キロワット時(shí) 走行可能距離：435キロメートル BYD「e2」 価格：2萬(wàn)8,900ドル バッテリー容量：43.2キロワット時(shí) 走行可能距離：401キロメートル |
| オーストラリア | EV新規(guī)販売臺(tái)數(shù)（2022年） 四輪BEV：3萬(wàn)3,410臺(tái) 四輪PHEV：5,943臺(tái) 國(guó)內(nèi)新車販売（2022年） 四輪：約108萬(wàn)臺(tái) |
日系：レクサス、日産、マツダ 中國(guó)：BYD、MG 韓國(guó)：現(xiàn)代、起亜、ジェネシス 歐州：ポールスター、ボルボ、メルセデス?ベンツ、BMW、ミニ、ポルシェ、アウディ、ルノー 米國(guó)：テスラ |
テスラ「モデル3」 価格：6萬(wàn)900オーストラリアドル（約546萬(wàn)円） 走行可能距離：547キロメートル テスラ「モデルY」 価格：6萬(wàn)8,900オーストラリアドル（約617萬(wàn)円） 走行可能距離：533キロメートル |
| インド | EV新規(guī)販売臺(tái)數(shù)（2022年） 四輪：4萬(wàn)581臺(tái) 三輪：33萬(wàn)8,621臺(tái) 二輪：62萬(wàn)9,215臺(tái) 國(guó)內(nèi)新車販売（2022年） 四輪：472萬(wàn)5,472臺(tái) 三輪：64萬(wàn)559臺(tái) 二輪：1,560萬(wàn)7,991臺(tái) |
インド系：タタ、マヒンドラ＆マヒンドラ 中國(guó)：MG、BYD 韓國(guó)：現(xiàn)代 |
タタ「ティゴールEV」 価格：約130萬(wàn)ルピー（約210萬(wàn)円） バッテリー容量：26キロワット時(shí) MG「ZS EV」 価格：約250萬(wàn)ルピー（約400萬(wàn)円） バッテリー容量：50.3キロワット時(shí) 走行可能距離：充電100%の狀態(tài)で最大306～357km走行可能 |
出所：運(yùn)輸省など各國(guó)の管轄當(dāng)局?機(jī)関の公表情報(bào)を基にジェトロ作成（2023年3月時(shí)點(diǎn)）
各國(guó)での販売価格をみると、EVは決して安くない。例えばタイでは、ORAグッド?キャットの販売価格は98萬(wàn)9,000バーツだ（約386萬(wàn)円、1バーツ＝約3.9円）。同國(guó)でポピュラーなトヨタの「ヤリス」が55萬(wàn)9,000バーツから購(gòu)入可能なことを考えると、大衆(zhòng)車のほぼ倍額と言える。
APAC地域で比較的、低価格で販売されている例としては、インドのタタ?モーターズの「ティゴールEV」を挙げることができる。それでも、1臺(tái)が約130萬(wàn)ルピー（約210萬(wàn)円、1ルピー＝約1.6円）ほどになる。インドネシアでの売れ筋中國(guó)車、ウーリンの「エアEV」は、約2億4,300萬(wàn)ルピア（約216萬(wàn)円、1ルピア＝0.0089円）だ。いずれも日本円に換算して200萬(wàn)円強(qiáng)になっている。同市場(chǎng)での大衆(zhòng)車価格と比較して約2倍ということも同様だ。
なお、両モデルとも、バッテリーは低容量だ。それぞれ26キロワット時(shí)（kWh）、17.3kWhにとどまる。それでも、エアEVの場(chǎng)合、1回のフル充電で200キロメートル走行可能とされている。しかし現(xiàn)実の利用シーンは、街中で短時(shí)間あるいは短距離だけ乗る、いわゆる「チョイ乗り」などに限定されるだろう。炎天下でエアコンをかけながら走行するには、電力の消耗を覚悟せざるを得ない。渋滯が多く、充電ステーションも十分に整っていないアジアという事情を考えると、なおさらだ。
現(xiàn)地生産の本格化までは、中國(guó)製BEVが主流
APAC地域でBEVの現(xiàn)地生産數(shù)は、まだ限られている。しかし、それも2023年～2024年にかけて、各地で本格化していくと見(jiàn)込まれている（表2參照）。
換言すると、それまでは輸入EVの販売が主流にならざるを得ない。そうした中で、各國(guó)の市場(chǎng)では中國(guó)からの輸入BEVの販売が伸びている。
| 國(guó)名 | EV現(xiàn)地生産の動(dòng)向 | 現(xiàn)地生産に向けた振興政策 |
|---|---|---|
| タイ | BEVを現(xiàn)地生産している主な企業(yè) FOMM（日本）小型EV生産 タカノオート（日本）小型商用EV生産 メルセデス?ベンツ（ドイツ）高級(jí)セダン「EQS」を現(xiàn)地生産 Mine Mobility（タイ）小型商用EV生産 今後BEVを現(xiàn)地生産予定の主な企業(yè) 上海汽車（中國(guó)）2023年より生産開(kāi)始予定 長(zhǎng)城汽車（中國(guó)）2024年～ BYD（中國(guó)）2024年～ 哪吒汽車／NETA（中國(guó)）2024年～ ホライゾン?プラス（臺(tái)灣）2024年～ 東風(fēng)汽車／BOLT（中國(guó)）2024年～ 長(zhǎng)安汽車（中國(guó)）2024年～ |
目標(biāo)：2030年に生産臺(tái)數(shù)の30％をBEVとする 主な優(yōu)遇措置（優(yōu)遇対象はBEVのみ） ?輸入関稅80％を引き下げ（バッテリー容量に応じて0～60％） ?BEV販売に補(bǔ)助金（7萬(wàn)～15萬(wàn)バーツ）を支給。ただし、補(bǔ)助金を活用した販売臺(tái)數(shù)分の現(xiàn)地生産を2024年中に求める（2025年になると1.5倍） ?バッテリー、モーター、コンプレッサーなど主要部品の関稅を免除 ?バッテリーの現(xiàn)地生産の優(yōu)遇措置を検討 |
| インドネシア | BEVを現(xiàn)地生産している主な企業(yè) 現(xiàn)代自動(dòng)車（韓國(guó)）2022年よりEVセダンを生産 五菱汽車（中國(guó)）2022年より小型EV生産 東風(fēng)小康汽車／DFSK（中國(guó)）2023年より小型商用EV生産 今後BEVを現(xiàn)地生産予定の主な企業(yè) 三菱自動(dòng)車（日本）：2024年より小型商用EV生産 VKTRテクノロギ?モビリタス（インドネシア）：2027年～ |
目標(biāo)：2035年までにBEVを100萬(wàn)臺(tái)生産 主な優(yōu)遇措置： ?投資金額により一定期間法人稅の免稅を付與 ?タックスアローワンス：課稅対象の純収益総額の30%減額（3年間） ?EVの非完全組み立て生産（IKD）部品の関稅を免除 |
| ベトナム | BEVを現(xiàn)地生産している主な企業(yè) ビンファスト（ベトナム）：2022年1月にガソリン車の生産を停止すると発表し、同年半ばからEV生産に一本化 今後BEVを現(xiàn)地生産予定の主な企業(yè) BYD (中國(guó)) |
目標(biāo)：2040年に年350萬(wàn)臺(tái)、2050年に年400萬(wàn)～450萬(wàn)臺(tái)のEV生産（ベトナム自動(dòng)車工業(yè)會(huì)EV化推進(jìn)ロードマップ） 主な優(yōu)遇措置： ?自動(dòng)車や主要部品の製造に対しては、法人稅の減免措置が適用される可能性 ?2022年3月からEV購(gòu)入時(shí)の特別消費(fèi)稅と自動(dòng)車登録料の減免措置を?qū)?br /> 備考：2025年から2040年にかけてガソリンや石油を燃料とする自動(dòng)車、バイク、モペットの製造、組み立て、輸入を全て停止 |
| マレーシア | BEVを現(xiàn)地生産している主な企業(yè) ボルボ（スウェーデン／中國(guó)）2021年からSUV（スポーツ用多目的車）を組み立て生産 メルセデス?ベンツ（ドイツ）2023年2月から高級(jí)セダン「EQS」の現(xiàn)地生産を開(kāi)始 今後BEVを現(xiàn)地生産予定の主な企業(yè) 長(zhǎng)城汽車（中國(guó)）：2023年より生産開(kāi)始予定 鯊灣科技／ブルーシャーク（中國(guó)）2023年～ タムレブ（米國(guó)）時(shí)期未定 |
目標(biāo)：新車販売臺(tái)數(shù)に占めるEV割合を2030年までに15％、2040年までに38％に高める 主な優(yōu)遇措置： ?國(guó)內(nèi)組み立て（CKD）EVの物品稅と売上稅免除（2025年末まで） ?EV組み立てのために輸入する部品の関稅を免除（2027年末まで） |
| フィリピン | BEVを現(xiàn)地生産している主な企業(yè)（三輪など含む） ビーマック（日本）電動(dòng)トライシクル生産 エンプラス（韓國(guó)）中型公共交通車両（ジプニー）など生産 今後BEVを現(xiàn)地生産予定の主な企業(yè) BYD (中國(guó)) フィリピンでの生産を検討中と報(bào)道 |
目標(biāo)：2030年までに総車両臺(tái)數(shù)のうち21％をEV（電動(dòng)三輪など含む）とする 主な優(yōu)遇措置： ?暫定的に2023年から5年間、電気自動(dòng)車（EV）の輸入関稅を撤廃。ただし、ハイブリッド車は免稅対象外 ?部品生産などに対して、稅制などの優(yōu)遇措置を付與 |
| カンボジア | 今後BEVを現(xiàn)地生産予定の主な企業(yè)（三輪など含む） オニオン?モビリティ（シンガポール）2023年に電動(dòng)トゥクトゥクの生産開(kāi)始を予定、四輪も計(jì)畫 マトリックス?テクノロジー（中國(guó)）EV工場(chǎng)設(shè)立予定 |
目標(biāo)：2050年までに二輪は70％、四輪は40％をBEVとする 主な優(yōu)遇措置： ?EVの輸入やEV充電キオスクの増?jiān)O(shè)にインセンティブを與える計(jì)畫 |
| ラオス | BEVを現(xiàn)地生産している主な企業(yè)（三輪など含む） コラオ（韓國(guó)）電動(dòng)トゥクトゥク生産 |
目標(biāo)：2025年までに全自動(dòng)車の1%、2030年までに30%をEVとする 主な優(yōu)遇措置： ?投資奨勵(lì)法ではハイテク、環(huán)境親和型産業(yè)として最大10年間の法人稅免除。経済特區(qū)內(nèi)では10年間の法人稅免除およびその後8年間は8%固定。個(gè)人所得稅、配當(dāng)稅、売上稅、物品稅、VATの減稅もしくは免除（SEZにより個(gè)別に規(guī)定） |
| インド | BEVを現(xiàn)地生産している主な企業(yè) タタ（インド）四輪EV（乗用車）生産 MG（中國(guó)）四輪EV（乗用車）生産 現(xiàn)代自動(dòng)車（韓國(guó)）四輪EV（乗用車）生産 今後BEVを現(xiàn)地生産予定の主な企業(yè) マルチ?スズキ（日本） 2025年BEV生産開(kāi)始予定 マヒンドラ＆マヒンドラ（インド） 2022年発表 |
目標(biāo)：2030年の新車販売臺(tái)數(shù)に占めるEVの割合を乗用車で30％、商用車で70%、自動(dòng)二輪?三輪車で80%とする 優(yōu)遇対象： （1）生産連動(dòng)型優(yōu)遇策（PLI）：EV?最先端部品、先端化學(xué)?セル電池 （2）半導(dǎo)體ミッション：半導(dǎo)體?ディスプレー 主な優(yōu)遇措置： （1）対象製品の工場(chǎng)新設(shè)企業(yè)が要件を満たした場(chǎng)合、対象製品の売上高増加分の一定割合（例：EV完成車13～16%、最先端部品8～11%、電池はエネルギー密度に基づく定額単価）が生産開(kāi)始年の翌年から5年間にわたり補(bǔ)助金として支払われる （2）対象製品の工場(chǎng)新設(shè)企業(yè)に対して、設(shè)備投資コストの50％を上限に補(bǔ)助金を支払う |
出所：運(yùn)輸省など各國(guó)の管轄當(dāng)局?機(jī)関の公表情報(bào)を基にジェトロ作成（2023年3月時(shí)點(diǎn)）
貿(mào)易統(tǒng)計(jì)からも、中國(guó)製EVがAPAC各國(guó)に流入していることが見(jiàn)てとれる。例えば、中國(guó)の貿(mào)易統(tǒng)計(jì)を四半期ごとにみてみると、特にタイ、オーストラリア、ニュージーランド向けの「電気駆動(dòng)の車両（BEV）」（注4）の輸出額が、2022年第3四半期（7～9月）から急拡大している（図1參照）。
注：HS8703.80.00。ただし、ゴーカートなども含む。
出所：Global Trade Atlasから作成
輸入側(cè)の貿(mào)易統(tǒng)計(jì)でも、中國(guó)からのEV輸入急増が確認(rèn)できる。例えばタイの貿(mào)易統(tǒng)計(jì)をみると、2023年第1四半期（1～3月）に輸入された電気駆動(dòng)車両（HS8703.80、BEV）は、5億8,300萬(wàn)ドル。前年同期比で11倍に拡大した。さらに詳細(xì)をみると、ワゴン／SUV型EV（注5）が5億3,900萬(wàn)ドルと92.5％を占め、セダン型EV（注6）が4,200萬(wàn)ドルと7.2％を占める。同2品目を合算して推移を示したのが図2だ。この2品目は、2022年第3四半期から、急速に輸入が拡大した。その中には、ドイツや日本などからの輸入も一部に含まれてはいる。しかし、2023年第1四半期について言うと、中國(guó)からの輸入が約97％を占めた。
注：非CKDのセダン型EV（HS8703.80.97）、ワゴン／SUV型EV（HS8703.80.98）の合計(jì)。
出所：Global Trade Atlasから作成
輸出ハブになれるかは中國(guó)メーカーの意向がカギ
このように、中國(guó)製BEVはAPACの各國(guó)市場(chǎng)を席巻している。
もっとも、各國(guó)政府が最も期待するのは、將來(lái)的な現(xiàn)地生産だ。目下、確かに販売?普及に優(yōu)遇措置が講じられている。しかし、あくまでも時(shí)限的措置で、その後は現(xiàn)地生産と輸出を拡大し、現(xiàn)地雇用を生み出したいというのが本音だろう。タイを例にとると、政府はEV普及振興策として、BEVへの販売補(bǔ)助金、物品稅減免といった施策を?qū)毪筏皮い耄?a >2023年4月25日付地域?分析レポート參照）。2024年以降の將來(lái)的な現(xiàn)地生産を條件として、1臺(tái)あたり7萬(wàn)～15萬(wàn)バーツの補(bǔ)助金を支給している。
タイ政府には、(1)まずはBEVの國(guó)內(nèi)販売を奨勵(lì)し、自國(guó)市場(chǎng)にBEVを普及させて市場(chǎng)?産業(yè)を形成する、(2)その後は、國(guó)內(nèi)でのBEV生産を拡大し、その後、輸出を拡大させて「アジアのBEVの輸出ハブ」としての地位を確立したい、という思惑がある。実際、タイ政府の誘致政策に呼応し、上海汽車、長(zhǎng)城汽車、BYD、長(zhǎng)安汽車といった中國(guó)メーカーは、タイでのBEV生産を開(kāi)始するプログラムに呼応し、現(xiàn)地生産に向けた準(zhǔn)備を進(jìn)めている。
従來(lái)の內(nèi)燃エンジン（ICE）自動(dòng)車産業(yè)で、タイは「アジアのデトロイト」の異名をとる。當(dāng)?shù)丐巧bされた自動(dòng)車は、ピックアップトラックを中心にその半數(shù)以上が輸出に回る。その輸出先市場(chǎng)として大きいのは、東南アジアやオーストラリアなどだ。
では、BEVでもこれに追隨できるのか。望みはある。中國(guó)メーカーの発表をみると、タイ政府の期待に応え、國(guó)內(nèi)市場(chǎng)だけでなく輸出を念頭に生産工場(chǎng)を建設(shè)するケースが多いためだ。
しかし、現(xiàn)狀では、中國(guó)からAPAC各地へのBEV輸出が増加している。後発になるタイ製BEVが各國(guó)でどれだけ市場(chǎng)を獲得できるのか、不透明な部分もある。タイが輸出先として期待するAPAC各國(guó)では、すでに中國(guó)メーカーが現(xiàn)地生産を開(kāi)始済み、あるいは生産計(jì)畫を進(jìn)めているケースも多い。また、ASEAN各國(guó)では、中國(guó)からのBEVにFTAで関稅を免除（注7）していることも大きい。本來(lái)、タイは同じASEANということから関稅面で優(yōu)位に立てそうなものなのに、そうでもないということになる。オーストラリアは中國(guó)と二國(guó)間FTAがあり、中國(guó)製EVの関稅をやはり免除している。將來(lái)的にタイ工場(chǎng)から輸出する何らかのメリットを発揮できないと、タイでのBEV生産は期待するほど増えないかもしれない。
APAC地域でのEVサプライチェーンは、今後、どうとらえていくべきなのか。これを考える上では、各中國(guó)メーカーがどのような思惑で拠點(diǎn)立地?分業(yè)?サプライチェーンを構(gòu)築し、將來(lái)的にどのような青寫真を描いているのか、注意深く探る必要があるだろう。
- 注1：
- オーストラリア電気自動(dòng)車協(xié)會(huì)
（4.7MB）（ECV）による。 - 注2：
- 愛(ài)知県バンコク産業(yè)情報(bào)センター資料（725KB）による。
- 注3：
- タイ工業(yè)連盟（FTI）資料では、2022年の四輪BEV新規(guī)登録臺(tái)數(shù)は9,644臺(tái)（2023年2月2日付ビジネス短信參照）。
- 注4：
- HS8703.80.00。ただし、ゴーカートなども含む。
- 注5：
- HS8703.80.98。完全ノックダウン組立（CKD）でないもの。
- 注6：
- HS8703.80.97。完全ノックダウン組立（CKD）でないもの。
- 注7：
- ASEAN中國(guó)FTA（ACFTA）により、関稅が免除されている。
- 執(zhí)筆者紹介
- ジェトロ?バンコク事務(wù)所
北見(jiàn) 創(chuàng)（きたみ そう） - 2009年、ジェトロ入構(gòu)。海外調(diào)査部アジア大洋州課、大阪本部、ジェトロ?カラチ事務(wù)所、アジア大洋州課リサーチ?マネージャーを経て、2020年11月からジェトロ?バンコク事務(wù)所で広域調(diào)査員（アジア）として勤務(wù)。
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